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薙が考えた事を考えもせずにつづるところです。
『深世海 Into the Depths』レビュー

Switchで配信されているアクションゲームのレビューです。
ネタバレにはある程度配慮してますが完全初見を楽しみたい方はご注意下さい。
一応、薙個人としては「良作」だとお勧めしておきます。


なお、本文ではネタバレになる部分は文字の色を変えて
範囲選択しないと読めないようにしてあります。
ほーりっく←この文字が何もしなくても見えている場合は
ネタバレの伏字が機能していないのでご注意ください。

【あらすじ】

地表が氷に覆われ、人々が海中で暮らすことを余儀なくされた世界。

長い年月が経った今も
迫りくる氷は広がり、全ては朽ち果て続けている。

世界にたった一人生きている主人公。
崩壊が日常となってしまった日々を淡々と過ごす中、
偶然、未知の機械との出会いが訪れる。

その出会いは、広く深い「世海」への先導となる…

“世界はどうしてしまったのか?”
“同じように生き延びている人はいるのか?”
“「世海」の底 には何があるのか?”

広く深い「世海」で待っていた数々の疑問

この「世海」の謎を探るため、深い海の底を目指す。

様々な海洋生物、水圧、酸素残量、海に沈んだ「世海」の遺物…
海の美しさ、脅威の全てが、「世海」に残された最後の未開の地“深海”へと誘う。

(以上、公式サイトより引用)

主人公は海底にて沈没した潜水艦を利用した住処
(2階には空気も確保されており、なぜか本まである)で
暮らしている。しかしゲーム開始直後、住処は突如として
浸食してきた氷に覆われてしまう。必要最低限の装備
だけを手にただ1人、主人公が広大な海へ放り出される
ところからゲームが始まる。道中で出会うサポートメカの
『潜導』や、今も動力が失われていない機械設備などから
世界――もとい世海の謎や自分以外の生存者を求めて、
深く、より深く探索を進めていく。



【概要】

元々はiPhone/iPad向けのゲームで、今回レビューする
のはその移植版になる。配信元はCAPCOM。
多くのアクションゲームを手掛けている会社だけあって
完成度は折り紙付き。アクションゲームとしての面白さは
もちろん、想像力を働かせながらプレーすることで
引き込まれていく世界観、美しくも退廃的な深海の世界に
魅了されるグラフィック、リアリティと臨場感を
感じられるサウンド、そして最終局面で主人公が体験する
驚愕の展開など総合的なクオリティに秀でた完全新規の
意欲作。


【システム】

●探索と酸素
本作はいわゆる「メトロイドヴァニア」形式のゲーム
であり、主人公は2Dマップを探索、時には敵や障害を排除
しながら鉱石を採掘して装備や潜水服を強化し、より深く
海の底へと探索範囲を広げてゆく。

このゲームの根幹をなすのが「酸素」システムである。
酸素残量はゲージで表示され、主に3つの役割を持つ。
1:制限時間としての酸素
主人公は何もしなくても徐々に酸素を失ってゆく。
2:残り体力としての酸素
攻撃を受けたり、壁や床に勢いよく叩き付けられると
酸素ボンベに傷が入りやがて破壊されて酸素を大量に
失ってしまう。
3:エネルギーとしての酸素
酸素を噴射することで各方向へ高速移動できる。

こう聞くと常に酸素残量の管理に悩まされ行動を制限
されるゲームのように思えるが、敵の数はさほど多くなく
動作も緩慢であり、各所に酸素ボンベや酸素の補給場所が
あるためボス戦などを除いて窒息死する危険はあまりない。
割と頻繁にブースト移動を繰り返していても十分足りる設計
になっているためプレイヤーは自由に深海探索を楽しめる。

●主人公の攻撃方法
主人公は格闘用のギャフと、飛び道具の銛という2棲類の
攻撃方法を持つ。
・ギャフ
初期装備しているかぎ爪のような釣り道具。無制限で使える
格闘用の武器であり、攻撃方法は振り下ろすのみとシンプル
だがそこそこ連打がきき、雑魚敵なら数発で倒せる。また、
壁に引っ掛けて落下を防いだり壁を登ることができる。
・連出銛
序盤で手に入る、扇状に銛を連射する飛び道具。銛を
消費するため無駄撃ちはできないが安全に獲物を倒すことが
でき、至近距離で当てれば非常に強力。銛の制作に必要な
素材も比較的手に入りやすく終盤まで大活躍する。

その後、探索を進めることによって以下の銛を入手できる。
・射出銛
ロープつきの単発の銛。単発ゆえ当てにくいが弾数が無限
なのが特徴。
敵を引き寄せて殴ったり、発光液を注入して
他の敵に攻撃させたりと
変わった使い方ができるが、
射出と巻取りを繰り返して単純な飛び道具として
使うことも
できる。また、この銛でしか開けられない扉や長距離移動
できる
レールに突き刺したりと使用頻度が高い。
・投網銛
電流で繋がれた銛をV字型に発射し、敵を覆ってダメージを
与える武器。
瞬間的なダメージは低いが動きの遅い敵を
安全に封殺できる。
この電流は自分には無害なうえ足場にも
なるのだが、この特性が活躍する場面は少ない。
・切削銛

ドリルのように回転しながら壁を貫通する銛。敵にうまく
突き刺すことで
大ダメージを与えられるが弾速が遅く
ノックバックで抜けやすいため
攻撃用としては扱いが難しい。
どちらかというと、壁の中に埋まった
オブジェクトを
破壊する用途で用いることが多い。

・発破銛
時限爆弾がついた銛を発射する。弾の素材が入手しにくい
うえ動く敵には
使いにくい(打ち込んだ敵が接近してきて
自爆することもある)。
よって通常の戦闘で使うことは
少ないが、難敵である
原核古生細胞を倒せる唯一の武器の
ため終盤で大活躍する。


各種の銛はそれぞれ一長一短があるため、場面によって
有効な武器を選び切り替えて戦う楽しみ方ができる。

●資源の入手
主人公は敵を倒したり壁を採掘することで資源を入手できる。
壁に埋まった資源は、地面を叩くことで反響によって位置を
特定し、ライトで照らすことで掘り出せるようになる。
資源は大きく分けて3種類に大別できる。
1:耐圧性を強化する資源
マップに特殊なアイコンで表示され、クリアに必須となる。
必要量(事実上、マップに表示される全て)を入手すると
潜水服の耐圧性を上げられ、さらに深く潜れるようになる。
2:装備を強化する資源
銛やブーストの性能を上げたり、酸素ボンベの最大数を
増やしたりできる。資源を全て入手することで全装備品を
最大強化できる。
3:消費アイテムの資源
各種銛や回復アイテムの生成に使う。敵から入手できる
ものは事実上無制限に手に入る。

●主人公の唯一の仲間「潜導」。
ステージ序盤で、ある装置から飛び出してくる機械。
キュルキュルと鳴き声のような音を発したり、主人公と
向き合って一緒にお辞儀をしたり、近くにあるアイテムを
拾ってきてくれたりと機械ながらかわいらしい動作で
主人公の孤独を癒してくれる。また、青いフキダシで
簡易的に今の目標を知らせてくれる。

●頼れる乗り物「潜水艦」。
こちらも比較的早い段階で入手でき、心強い味方になる。
・酸素を消費することなく長距離を移動できるだけでなく
 潜水服では潜れない深さへ進んだり、各地点の港から
 港へワープできる。
・船体の前方には小さなドリルが装備してあり、ほとんどの
 敵を瞬殺できるほか、特定の氷塊を破壊して隣のエリアへ
 移動できる。
・巨体ゆえに狭い場所へは入れないが、降りてからも酸素を
 供給するロープで繋がれるためある程度の距離までは
 酸素を消費せずに探索が可能になる。
・資源採掘はできないが、ソナーとライトによって探索は可能

●謎のオブジェと希少生物
探索を進めていくと、謎のオブジェを入手できたり、そこに
しか出現しない希少生物を発見することができる。これは
クリアに必須ではないがいわゆるやりこみ要素として存在
しており、やや難しい操作や謎解きが必要であったり、
すでに探索を終えたエリアの片隅にひっそりと配置されて
いたりする。

●臨時潜水
ゲームをクリアすると解禁されるモードで、主人公が
潜水艦で探索している最中に謎の敵に襲われ潜水艦から
放り出されるというシチュエーションから始まる
タイムアタック。本編とは異なる縦長のマップを潜水
していく。酸素、銛ともに限りがあり、選択したルートに
よって敵やアイテムの数が異なるため、リスクと
リターンを考慮しながら最良のルートを模索して素早く
正確に突き進んでいくモード。


【評価点】

いわゆる雰囲気ゲーとしての良さと、アクションゲーム
としての面白さを兼ね備えている。

●良質なグラフィック。
スマートフォン向けとは思えないほど緻密でリアルな
グラフィックで深海の美しさを楽しめる。個性的な
深海生物たち、暗い海の中でライトに照らされる岩肌などは
見ているだけで世界観に引き込まれる。また、絵的な
ビジュアルだけでなく動作においても細かく作りこまれており
主人公がブーストをふかしすぎて天井に頭をこすると両手を
あげてじたばたしたり、強く落下して怪我をすると痛そうに
手を振ったりとどこかコミカルで愛着が湧く。一方で
潜水ヘルメットの残骸を見つけて肩を落とし深く一礼する
など、終始潜水服を脱がず一言も喋らない主人公にも
人間味を感じられる。

●臨場感のあるサウンド。
本作ではタイトル画面の前に有線イヤホン・ヘッドホンを
使用するように推奨する画面が表示される。そうするだけ
あって効果音は非常に力が入っており岩盤が崩れ落ちる
重たい音、あちこちで沸き上がる不気味な泡の音など
環境音はもちろん、その他の効果音まで制作後に水中で
録音し直すといった工夫がされておりメニュー画面を
開いている時でさえ水中気分を味わえる。

BGMも印象に残るものが多く、特にボス戦のBGMは
アップテンポで焦燥感を煽られる。BGMはエリアだけでなく
深度などによっても変化し、深く潜っていったり、あるいは
水上に出たりすることでBGMの音量が絞られ環境音だけが
聞こえるようになるなど、演出にも効果的に用いられている。

●アクションゲームとしての面白さ
序盤は酸素ボンベの数が少なく慎重な探索を強いられるが、
敵の数も少なく落ち着いて操作に慣れていくことができる。
中盤になると簡単なトラップや謎解きが増えるものの
やはり攻撃的に襲ってくる敵の数は控え目で程よい緊張感で
深海探索を楽しめる。
終盤は不安定な足場や狭い通路で敵に襲われたり、
閉じ込められて敵の群れに襲われるなどアクション面での
難易度も高くなり、アクションゲームの基本である
段階的な難易度引き上げを踏襲している。

●深海ならではの魅力的なステージ
珊瑚や海藻で覆われた海底や岩肌はもちろん、自転車や
自動車、看板などが沈んでいるところもあり退廃的な
雰囲気を感じられる。また、海底に築かれた文明の一部と
思わしき装置や設備が一部稼働しており、プレイヤー及び
主人公はその文明を頼りに自分以外の生き残りに希望を
見出すことになる。また、中盤以降は深海好きなら思わず
目を輝かせてしまうようなエリアが目白押しとなる。
・大海溝
大きく開けた海溝と入り組んだ洞窟で構成されており、光が
届かず薄暗くなる深さまで潜水艦で潜っていくことができる。

・海底遺跡
ピラミッドのような石造りの建造物に鳥居が並んでいるなど
独特な外見の
遺跡内部が迷路になっており、トラップを
かわしながら探索していく。

・沈没船
巨大な客船や潜水艦の中を探索していく。しかもその最中、
触手を持った
巨大生物に襲われ、狭い船内の中を逃げ回る
場面もある。

・海底火山
中央から放射状にひび割れたかのような独特なマップで、
特別な手順を
踏まない限り不死身の原核古生細胞や流れる
溶岩、攻撃的な敵、
最深海でしか見られないユニークな
生物がひしめく危険なエリア。


●ユニークな生物たち
あまりに個性的でそのままでも敵として違和感のない
深海生物たちをそのままの外見で登場させている。
敵だけでなく、ほとんど・あるいは全く無害な生物たち
(中には背景のものまで)は遭遇すると図鑑に登録され、
タイトル画面からその姿を自由に観察できる。

また、実在する深海生物だけでなく機械生命体や人為的に
改造・開発した生物も登場し、それぞれ世界観に違和感なく
溶け込んでいる。これらがなぜ開発されたのかはゲーム内で
断片的にヒントが提示される。

●シナリオとその描写
このゲームではセリフは一切なく文字ですら独特の書体で
断片的に表示されるのみで、主人公が何を考えているのか、
世界がどうなってしまったのかなどは簡易なイラストや
無言のイベントシーンによって推察するしかない。よって
基本的には深海という世界観に浸り黙々と各地を巡る
「雰囲気ゲー」なのだが、最終ステージでは意外な事実が
判明し、主人公の命運を分けることになる。

海底火山のさらに奥深くでは地上に住めなくなった人類に
よって文明が
築かれていたが、深海で増殖を続ける
原核古生細胞によって
生存を脅かされており、すでに人の
姿は無かった。人類は原核古生細胞への対策として、
人間であることを捨てて
原核古生細胞を無力化できる生物
『圓』へと生まれ変わることを選択していたのである。
主人公は海底文明の最深部でカプセルに入った最後の人間を
見つけるが、
その人物も目の前で巨大人工生物『鼎』によって
圓へと変異させられてしまう。
すると次の瞬間、主人公も
潜導によってカプセルの中へ突き飛ばされ、
鼎の目の前へ
放り出されてしまう。鼎に取り込まれ圓となって仲間と
生きて
いくか、鼎を倒して最後の人間として海底で生きていくか。

ラストバトルの勝敗によって主人公の命運が左右される。


【賛否両論点】

●それまでのゲームレベルに対してラスボスが異様に強い
ステージ終盤に差し掛かってくるとアクションゲーム的な
難しさも
増加傾向になるとはいえ、回復アイテムは潤沢に
生成できるため
酸素ボンベの破損に気を付けて慎重に進めて
いれば進行不能になって
しまうような難所はあまりない。
しかしラスボスは狭い水槽の中での
戦闘を強いられ、しかも
酸素を大量に奪い取る攻撃を持っているため
急激に難易度が
増加する。この戦闘に勝利できたかどうかによって
主人公の
運命が変わるマルチエンディングのためあえて初見では

クリアできない難易度にする目論見があったと思われるが、
難易度をイージーにしていても攻略方法を見出さない限り
ゴリ押しでは倒せないほど強い。


●水中特有の浮遊感
さほど枯渇に悩まされることなく酸素を吹かして自在に
泳ぎ回れるため、いわゆるモッサリ感は覚えにくいのだが
それでもブーストなしでは機敏に泳げないのでやや
ストレスに感じる人もいるかもしれない。せかせかして
ブーストを吹かしすぎると着地の衝撃でダメージを受けて
しまうのもそれに拍車をかけている。

●全体を通して変わらないゲーム内容
プレーヤーのやることを要約すると「深海を泳ぎ回って壁を
掘る」ことに終始する。一部に戦闘はあるもののそれ自体は
主人公の目的とは関係なく自己防衛のためにするものであり、
ゲームの進行に求められるのは基本的に資源を見つけて
潜水服を強化していくことのみである。そのため、次々と
与えられる達成目標をどんどんこなしていくようなゲームを
好むユーザーとは相性が悪い。どちらかといえば、長期的な
目的に向かってコツコツと歩を進めていくようなゲームを
好むユーザーに向いた設計となっている。深海という広大で
ゆったりとした世界観に浸ってもらうためにあえてそのように
したと思われる。

●マップの明るさとライト
現実の深海は日光が届きにくく、深深度の深海生物は目が
極端に進化あるいは退化するというほど暗さは深海の重要な
特徴の1つである。実際の深海探査でもライトで照らして
いない部分は真っ暗闇になっているといった映像を見たことが
ある人もいるかもしれないが、本作においては暗めのエリア
でも周囲の視認に困らない程度には明るい。深海の重く暗い
雰囲気や、暗闇の中でクラゲや疑似餌だけが光っている…
といった画を期待している人には少々物足りないかもしれない。
画面の明るさを絞ることでそれらしい雰囲気には近づくが、
マップなどのUIも見にくくなってしまう。また、ステージにも
よるがライトを点けた状態・消した状態で周囲の明るさの
変化に乏しい(洞窟や沈没船など狭いマップではライトの
有無で外壁が照らされだいぶ明るくなるが、広めの海中では
ほとんど変化がない)。そのため画面の明るさを絞ると
「ライトを点けても暗い」ということになりやすい。とはいえ
あまり暗く作ると操作に支障をきたしてしまうため、
アクションゲームとしては適切な明るさと折り合いをつけたと
考えられる。


【問題点】

●ゲーム開始直後の難易度が高い
ゲーム開始直後、主人公の住処を覆った氷が迫ってくる状態
から操作可能になる。この氷から逃げる場面の難易度が
非常に高い。氷の浸食速度自体は別に速くはないのだが、
メキメキと迫真の効果音を鳴らしながらツララが伸びてくる
ので否が応でも焦りを感じてしまう。しかしこの時主人公は
酸素ボンベを一本も持っていないどころか、パイプ内の
酸素もわずか1/4ほどしか残されておらず10秒ほど酸素を
吹かしただけで空になる。しかも、操作が覚束ない初見
ユーザーが10メートルほど進んだところで目にするのは
高い崖。背後からの氷に追われて崖から飛び降りると落下中に
ブーストの操作説明が出るので初見は慌ててブーストを
吹かすだろうが、先の見えない崖でどの程度ブーストを
ふかせばよいのかわからず窒息死してしまいやすい。実は
この崖、底が滑り台のようになだらかになっておりブーストを
吹かさなくてもダメージを受けにくくなっているので、
ここでのブーストの説明は無駄に初見ユーザーを窮地に
追い込むことになりやすい。

●一部の素材が余りやすい
難易度が高くなることで海底探索を楽しむ余裕がなくなる
ことを避けたのか、それなりにアクションゲームができる
人であれば回復アイテム生成に使う素材は拾いきれないほど
余ることになる。マップに表示された採掘アイコンに
意気揚々と向かったが掘り出したのは持ちきれない素材で
ガッカリという場面は特に中盤~終盤にかけて増えていく。

●潜導が邪魔になることがある
潜導自体は接触判定がなく主人公の進路を妨害することは
ないのだが、潜導が拾ってくるアイテムには接触判定がある。
それが入手できるものなら問題ないが、上述の通り一部の
資源は拾いきれないほど余るため、それらを勝手に拾って
きてはぐいぐいと押し付けてくるので進行の邪魔になることが
ある。回復アイテムを生成すれば減った素材をすぐ入手
できるので便利でもあるが、素材が余るということは回復
アイテムも持ちきれないほど作れるということなので結局は
アイテムを押し付けてくる潜導と付き合わなければならない
場面は少なくない。健気に働く姿はかわいいが狭い通路で
これをやられると押しのけながら進まないといけないので
ストレスになる。

●ある武器(射出銛)の特殊動作の使い勝手が良くない
敵に突き刺した際に発光液を注入したり、引き寄せて殴る
といった動作が
可能になるがいずれも使い勝手は良くない。
・発光液を注入された敵は明確に他の敵から狙われるが、
 発光した敵自体は
主人公へ向かってくるため、結果として
 攻撃的になった敵がまとめて
こちらに向かってきて混戦
 状態になりやすい。結局、安全のためには
発光させた敵は
 早めに処分することが必要になり光らせる必要性が薄い。

 また、機械生命体は発光させることができない。
・敵の引き寄せから殴り行動がスムーズにいきにくい。また、
 敵の重さに
よっては敵ではなく自分の方が敵に引き寄せ
 られてしまう。それでも
殴り行動自体は発動するが、
 安全地帯から飛び出してしまうなど
予測不能な動きをする
 ことがあり安定性に欠ける。

・単純に突き刺すだけでもそこそこのダメージを与えられる
 ため、
結果として弾数無制限の単射の飛び道具として
 使われることになりがち。
その点では優秀なため射出銛
 自体が死ぬことはないが、特徴的な
仕様を持っているにも
 関わらずそれを活かしにくいのはもったいない。



【総評】

美しいグラフィックと臨場感のあるサウンド、適度に
調整された酸素システムにより、危険でありつつも
魅力的な深海探索の雰囲気を味わうことができ、そこに
世海の謎や人類の生き残りを想像力を働かせながら推察
していくストーリー描写と最終局面の意外性のある展開が
加わって『深世海』という1つの作品にきれいに落とし込んだ
意欲作である。
クリアまで10時間前後、コンプリートクリアでプラス
10時間前後、とコンパクトにまとまっており難易度・価格
ともに手ごろなため、気負わずにプレーできることだろう。
せわしない操作を必要とせずまったりと遊べるゲームを
プレーしたい人、シナリオや背景・主人公の心情を想像
しながら世界観に浸りたい人、そして何より深海という
いまだ未知の世海にロマンを感じる人にぜひお勧めしたい。
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